彼が再びこの部屋に入って来た時、彼は古ぼけたというよりも、使い込まれたギターケースをさげていた。「これなんですよ」彼はテーブルの上にケースを置いて、静かにケースの金具をといた。中からでてきたのは、とても奇麗なギルドD-25M。おそらく使い込んでいるのだろう。その色と艶はなんとも言えない。ピックガードもボディーのマホに溶け込んでいるように見える。素敵なギター。これなら手が届く範囲だ。早く音がきいてみたい。彼がチューニングを始める。その時。「あれ。これは、」「そうなんですよ。レフティーなんです。なかなか珍しいでしょ。74年なんです。私もレフティーじゃないんですけどね。1516年前ですかね。これに出会ってね。いつか、誰かにと思って大切にしてたんです。」待て待て、私はレフティーじゃない。これをわざわざ私に見せるとは、この人はいったい何考えてるの。と心の中でさけんでみたりしたのです。でも、確かに手元に置いておきたい気持ちはわかるのです。私がレフティーなら今すぐに購入。それほど素敵なギルド。自分のギルド探しの事はすっかり忘れてしまい、そのD-25Mをずっとながめてました。「これを弾ける子が1人います。小学生6年生ですけどね。10年すれば、彼のギターになるし、面白いかな。」「そう思いますか。昨日、お店でレフティーの少年の話してらしたでしょ。私、その時決めたんですよ。あなたに預けようって。」「プレゼントしますか。彼が弾いてくれるなら、これも、幸せですね。私たちは弾けませんからね。リペアーお願いします。」商談は5分で決着。

というわけで、そのギルドはレフティーの少年の手元に届けられる事になりました。きっといつかライブで弾いてくれるはず。楽しみ楽しみ。僕のギルドは結局、見つからず。

Kさんが手に入れた時の話はまたいつか。