デッサン館信州上田にある小さな美術館。重い木のドアを開けるといつもと変わらない空間が広がる。この不思議な安堵感。絵を観るというよりも、一つ一つの絵と対話するという感じで僕はゆっくり館内を歩く。初めてこのドアを開けた時に観た絵たち。悲しい出来事が起きた数日後に観た絵たち。今日も君たちは元気だったね。ありがとう。やってゆけるさ。まだまだ歩けるょ。僕の記憶はデジタルじゃないから、少しづつ色あせて行く。僕の都合に合わせて変わって行く。決して同じあの時間には戻れないけれど、また逢いにくるょ。そしてまたお話しましょう。今の僕の事。明日の僕の事。笑っておくれ。怒っておくれ。一緒に泣いてくれ。甘えるんじゃねぇよ。と叱っておくれ。心の勇気をいただくぜ。
ドアを出る時、また新たな最初の一歩が始まる。
日帰りの予定が宿泊になってしまった。予定を急に変更するなんて僕にしては大胆な行動。あーーーー。ごめんなさい。ジョット君。明日はいつもの2倍お散歩するからね。